依存症者  負・不幸の連鎖

AA当事者の自助グループ・その家族や友人の会へ参加する

 

負・不幸の連鎖

 

不幸の連鎖の原因となる一例

 

・アルコール依存症の親を持つ子どもが、

➡︎ アルコール依存症になってしまう

 

・親に暴力を振るわれていた子どもが、

➡︎ 暴力を振う相手を選んでしまう
➡︎ 暴力を振るう側になってしまう

 

・性虐待を受けた子どもが、

➡︎ 自分や他者に危害の及ぶような性行動や
(1 性嗜好異常に興味を持っている加害者のようなのと付き合ってしまう
➡︎ 性的に悪ふざけをするような相手を選んでしまう
➡︎ 性嗜好異常になってしまう
➡︎ 性加害をしてしまう

(1 露出障害、フェティシズム、窃触障害(痴漢など)、小児性愛、性的マゾヒズム、性的サディズム、服装倒錯的フェティシズム、窃視障害など

さらに、
被害者は加害者に見つかりやすい

 

以上のような加害や被害は、閉鎖された空間で行われ、図々しくも加害者は被害者に口止めします
加害はしたいけど、周囲にバレて批難されたり犯罪者になるのは嫌なわけです。

加害者と被害者は同じように問題を抱えおり解決が必要だとしても、加害者側は暴行する側であって身体的に害はありませんが、被害者は一生、消えない傷を背負わされることになるのです。たまったものじゃありません。

 

被害者は加害者にみつかりやすい?

 

例えば、性虐待をされた被害者は、被害者なのに罪悪感に苛まれ、「どこか自信がなさ気文句を言わなそう投げやりな雰囲気」、これらが出てしまうと加害者にその匂いを嗅ぎ付けられてしまい、さらにターゲットにされてしまいます。

電車で痴漢する加害者は、「あれだったら触っても良さそうだ」などと勝手な判断をして実行します。
アダルトビデオの設定を鵜呑みにして自分もできると妄想し捕まるまで加害を続けるのです。

過去に被害に遭ったのに加害者に狙われてしまうなんて悲惨です。
傷を背負っているのに、さらに傷つくなんて嫌ですよね。

加害者のターゲットにされてしまうのは、男女差は関係なく(女性のほうが多いのは確かではありますが)「どこか自信がなさ気、文句をいわなそう、投げやりな雰囲気」が自然と醸し出されているのかもしれませんが、立場や状況に負けず拒否をしてください。

 

加害者は顔見知り?

 

「無理やりに性交等された経験」のうち面識のある者からの被害は全体の76%全く知らない相手はたったの9.9%です。知り合いの加害者が76%もいるのです。(内閣府e-Stat統計「平成29年度男女間における暴力に関する調査」より抜粋)

 

しかも、その加害者は顔見知りがほとんどです。
強制性交等や強制わいせつは見知らぬ他人よりも、相手の弱みや困惑を利用した身近な、面識のある人間が犯します。統計では約8割近くの性犯罪が面識のある者からです。

加害者と仕事でつながっていてはっきり言えなかった、性的接触をしたら仕事を用意するが断るならあげない、仕事を切ると言われた、など不安を煽るもの、
加害者のことが気になっていたのに暴力的に豹変した、
加害者に騙されて付いて行った場所で複数に性的暴行をされた、
マッチングアプリは男女が交際をする前提で会うようなものだがデートレイプをされた、
など理由は違えど断りづらい状況に追い込むのが加害者です。

加害者は性欲で頭がいっぱいで、被害者がどう思うか、その後、どのような傷を背負うかなんて考えていません。
謝罪の言葉があったとしても、「処女でもないくせにもったいぶるな、触って何が悪いんだ」と発言した加害者もいます。

加害者は性加害をして被害者を苦しめておきながら驚くほど罪悪感はありません。
被害者に申し訳ないと思う気持ちより、はるかに性欲のほうが勝っています。

世間にバレたら仕事がなくなり信用されなくなるということばかりに重点を置き、被害者に対して心からの謝罪はなく、その場にいた者や家族ぐるみで口裏を合わせ、必死になかったことにしようとするのです。
証拠がない、名誉毀損などと逆に被害を装う者までいます。

加害者は、被害者の心の傷よりも自分らの立場を守ろうとしますが、これは犯罪です。
あなたは悪くないです。
悪いのはあなたの弱みに漬け込んで利用する犯罪者です。

 

性暴力被害に対応している弁護士は?

 

性暴力被害者支援などの自助グループに参加すると、公訴時効が過ぎていても対応してくれる弁護士とつながれることもありますので、参加して警察や弁護士に相談してください。
自助グループと連携するほうが弁護士選びは早いのですが、自分で探す場合は以下について気を付けてください。

弁護士や医者選びでへこたれない

弁護士もさままざまです。
性犯罪のような金目ではない案件を面倒くさそうに聞くような弁護士ではなく、被害者側の支援をしているような弁護士を選んでください。そうしないと被害者であるあなた自身がさらに傷つくことになるからです。
医者も診断書や何やらを警察や弁護士に提出するとなると、病院のことを調べられるからやりたくない、というところもあります。
このような弁護士や医者だけではありません。被害者や社会的弱者に寄り添って味方になってくれる方たちもいます。
諦めないでください。
被害に遭ってしまった人たちの心が救われるのを願っています。

 

問題行動を表している者だけでなく家族にも問題がある?

 

負・不幸の連鎖

 

依存症は、以下のようなものがありますが、家族などの親近者は、問題行動を表している者だけでなく、自分の問題にも目を向ける必要があるといえます。

●物質依存
・・・アルコール、タバコ、薬物、覚醒剤、睡眠薬、食べ物など
●プロセス依存
・・・ギャンブル、インターネット、性欲、買い物、仕事、自己啓発など
●人への依存
・・・恋愛、夫婦共依存、DV、児童虐待、宗教など

例えば、アルコール依存症はお酒を飲む人であれば誰でもなりうる病気です。

しかし私が見た限りでは、各々の家族が何かしら問題を抱えているようです。
なぜアルコールに頼ってしまったのか。

本人・家族が抱える問題は代々、受け継がれてしまっているように見えます。
一概にはそうとはいえませんが、
(2 アダルトチルドレンの子どもはアダルトチルドレン、そのまた子どももアダルトチルドレンへ……。
被害者から、さらに被害者へ……。
被害者から加害者へ……。

当事者全員が自分自身に目を向けなければ連鎖は止まりません。

(2 アルコール依存者を親にもって成人した人たちの総称(ACOA)。
ACOAが示す基本的パターンは4種類に大別される。
1. 責任を背負いこむタイプ
2. 受動的に順応するタイプ
3. なだめ役のタイプ
4. 早期に種々の嗜癖行動や適応障害が顕在化するタイプ。
中山道規・佐野信也(1995):ACの臨床ーートラウマと嗜癖. 星和書店

 

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