脳の報酬系とは?
依存症の中心には、「脳の報酬系」という仕組みがあります。これは、私たちが何か楽しいことをするときに脳内で活動する部分です。このシステムが活動すると、ドパミンという物質が放出されます。ドパミンは、私たちが喜び(満足感、充実感、心地よさ)を感じるときに脳内で増える化学物質です。
ドパミンが大事な理由
ドパミンは、食べ物を食べたり、運動をしたり、友達と遊んだりするときにも出るので、私たちが何かを楽しいと感じるときには必ず関係しています。でも、薬物やギャンブルなど、依存症の原因となるものもドパミンをたくさん放出させるため、それらに強く引きつけられてしまうのです。
耐性と撤退現象について
依存症が進むと、「耐性」という状態が生まれます。これは、同じ量のドパミンでは満足できなくなるということです。そのため、もっと多くの刺激や物質を求めるようになります。さらに、依存対象から離れてドパミンの放出が止まると、気分が悪くなったり、体がだるくなったりする「撤退現象」が起こります。
脳の変化
依存症が続くと、脳の構造自体も変わってしまうことがあります。特に「前頭前皮質」という部分が影響を受けます。この部分は、私たちの意思決定や自己制御に関わっているので、その機能が低下すると、さらに依存症が悪化する原因となります。
まとめ
依存症は、ただの意思の弱さではなく、脳の報酬系やドパミンなどの生物学的な変化によって引き起こされる病気です。これを理解することは、依存症に対する正しい対応や治療の方法を考える上で非常に重要です。友達や家族、専門家など、困ったときには周りの人に相談することも大切です。