「依存症民間団体支援事業」の目的のについて
厚生労働省の支援事業の主な目的は、要するに、依存症からの回復を助け、再発を防ぐことであり、依存症の人々が必要な治療を受けられるようにすると共に、その家族や地域社会が適切な知識を持って支えることができるようにするためのものとのことです。具体的には、教育や予防活動、回復プログラムを提供する団体に資金を提供し、これらの活動を通じて依存症の問題に効果的に対応しようとしています。
これは依存症の治療や予防、回復支援のプロジェクトを行う団体に対してお金を支援する制度です。助成金はプロジェクトの内容や社会への影響を考慮して決められ、受け取った団体は、そのお金をどのように使ったか、どんな効果があったかを報告する必要があります。このシステムを通じて、依存症からの回復を助けるための活動が広くサポートされています。
公募の評価基準は?
公募では、団体は自らの活動計画やこれまでの成果を示し、特定の基準に基づいて評価されます。応募する団体は、以下のような条件を満たす必要があります。
1. 活動実績 : 依存症対策に関する具体的な活動実績を示すこと。
2. 法人格 : 公益法人、社会福祉法人、NPO法人など、適切な法人格を有すること。
3. 事業計画 : 効果的かつ創意工夫を凝らした事業計画を提出すること。
4. 地域影響 : 地域社会に対するポジティブな影響をもたらす計画であること。
5. 非営利活動 : 営利を目的としない活動であること。
提出された申請書は書類審査と、必要に応じてヒアリングを通じて評価され、資金の支援が決定されます。これにより、選ばれた団体は依存症対策のためのさらなる活動を行うことができます。
令和5年度に支援された施設一覧
これらの団体に提供される支援は、依存症に関する教育、相談、支援活動を強化し、地域社会における依存症対策の基盤を強化することを目指しています。各団体は、具体的なプロジェクトを通じて依存症患者やその家族への直接的なサポートを提供し、依存症問題の社会的認識を向上させることに寄与しています。
(引用:厚生労働省HP)
1. (NPO)ASK
依存症予防教育アドバイザーの養成及びアドバイザーによるオンライン活動支援事業
2. (一社)ARTS
四国・関西での啓発活動及び家族支援のためのセミナー及び相談会の開催
3. (NPO)いちごの会
「全国依存症回復施設研究交流集会/2023」と地域出前研修
4. (NPO)大阪ダルク・アソシエーション
アディクション・カフェ’23
5. (公社)ギャンブル依存症問題を考える会
ギャンブル依存症セミナー及び相談会の開催と、ピアサポーターによる伴走支援及び地域連携作り
6. (一社)グレイス・ロード
ギャンブル依存症啓発と予防セミナー及び相談会 等
7. (NPO)全国ギャンブル依存症家族の会
家族会および当事者ミーティング立ち上げ事業
8. (NPO)全国薬物依存症者家族会連合会
「続『もしあなたの大切な人が薬物を使ったら』漫画本作成事業」
9. (公社)全日本断酒連盟
SBIRTSの普及促進事業 -地域連携によるアルコール依存症の早期発見・早期対応から地域資源へ の接続等継続的支援のために-
10. (一社)日本アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会
アルコール健康障害対策基本法推進啓発研修事業
「ソーシャルワーカーのためのアルコール依存症回復支援基礎講座オンライン」
11. (公社)日本医療ソーシャルワーカー協会
一般医療機関における依存症リカバリーソーシャルワーク研修事業
12. (公社)日本精神保健福祉士協会
依存症にかかわる福祉人材の基盤づくりのための福祉系大学生等を対象と した「アディクション・オープンゼミナール2023」事業
13. (NPO)ひとしゅが
依存症は自分には無関係だと思っている一般の人々に、依存症の知識を伝
えるための啓発事業
14. (NPO)リカバリー
“Women Centered Care”:2023年度女性依存症者に特化した全国支援者研修
プロジェクトや団体の役割
これらのプロジェクトや団体は、日本の依存症対策戦略の重要な役割を果たしています。専門的な支援、教育、アウトリーチを通じて、個人とコミュニティが依存症の課題に効果的に対処できるよう支援しています。目的は回復のみならず、長期的な健康と社会への統合を促進する持続可能な支援システムの構築です。これらの取り組みは、地域にわたる支援サービスのアクセス向上と偏見の減少にも焦点を当てています。
(支援事業目的、公募内容 参照:厚生労働省HP)
令和6年度:厚生労働省による依存症対策予算案とその展望 ➤➤
ギャンブル等依存症対策基本法(2018年施行)に期待すること ➤➤