食べ吐き摂食障害:吐きたいけど吐くのはもったいない

食べ過ぎ

家族の期待と批判によるプレッシャーがどのように心理的な障害を引き起こすかを、個人の体験談を通じて探ります。親の非難による自己像の歪み、摂食障害の発症、治療、そして回復の過程を詳細に描き出し、家族の支持と正しい理解がどれだけ重要であるかを示しています。

私の家族は社会的にしっかりしていました。両親とも国立の大学と大学院を出て、父は大企業、母は大学の教授でした。
私が物心付いたときには、母親から性格や学力、容姿のダメ出しをされていました。
気が弱い、顔が大きい、足が短い、背が小さい、もっと頭が良ければいいのにと言われました。
唯一、褒めてくれたところは目が大きくてかわいいということだけでした。

私を正したいのか悪口ばかり言われていたので自信を持てず、何かの結果が悪ければ自分を責め続け、優秀な結果だと悪く言われないから良かったという、ビクビクして不安がつきまとうような、良い方向に育ってないのが自分でもわかりました。
摂食障害が出始めたのは18歳くらいです。
私は太っていませんでしたが、幼児体系のようなお腹だけポコっと出ていました。
それを母親からお腹が出てるわねと言われ、なんとかへこませて綺麗になりたいと思ってしまいました。
自分がどう思うかよりも母親がどう思うかが大事でした。

市販の下剤やセンナというお茶などを飲むようになり、もっと痩せなければと何錠も飲んでしまいました。
だんだんおかしくなって、食べたら吐きたくなってしまって、下痢を漏らすようになってしまいました。
たくさん食べるけど吐くということを繰り返していたら、だんだんお金が足りなくなってしまい、万引きをしてしまいました。
万引が成功したらお金を払うことが嫌になりました。

どこにいても食べ物のことばかり考えるようになって、万引して食べて吐くを繰り返して、これが生活の中心になってしまいました。
大学も中退してバイトも辞めて家で食べて吐いて下痢して体はガリガリになりました。
とうとう万引きで捕まって依存症専門病院に入院させられました。
私は見てすぐにわかるくらい病的な痩せ方をしていました。
数ヶ月、入院して症状が治まったので退院しました。

また病気を繰り返したら嫌だなと思っていましたが、バイト先の飲食店に来ていた男性と付き合うことになって症状が治まりました。
彼は、私のそのままを好きになってくれて、これでいいと認めてくれました。
頼れるし本当の愛をもらった気がしました。
結婚して子どもを産んで、摂食障害や万引きで捕まったことも家族に隠していません。
家族の健康を考えて食事を作って普通のことが幸せです。
今は全く変な症状がでなくなって、軽くぽっちゃりしていますが気になりません。

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