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※この話は実際の出来事に基づいていますが、個人のプライバシーを守るため、職業、性別、場所を変更しています。登場人物の特定や詮索はご遠慮ください。
専門学校を卒業。自分以外の家族全員が国立T大卒であるため学歴に強いコンプレックスを抱えている。猛勉強の末、仕事に必要な資格を多数取得し、周囲からも仕事ができる人として一目置かれている。
国立T大学を卒業。毎日新しいことを学びながら、成長を目指して努力している。
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江川さんのバックグラウンド
僕の友人、江川さんは専門学校を卒業した後、某メーカーに入社し、自分の努力と地頭の良さで業界のエリート街道を突き進んできた。
彼の家族は全員国立T大卒で、江川さんだけが専門学校卒だった。10代の頃、江川さんはいじめに遭ったわけではないが、不登校になり勉強を放棄してしまった。
社会人になってから猛勉強し、大卒レベル以上の能力を資格等で補填したものの、学歴に強いコンプレックスを抱いていた。
学歴コンプレックスとは、自分の学校の成績や学歴が他人よりも悪いと感じることです。江川さんは専門学校を卒業していて、家族全員が東大を出ていたため、東大を出ている人に会うと自分が劣っていると感じ、劣等感に苛まれることがありました。
「社会人になって今さら大学へ行く気にもなれないし、大学院も考えたことがない。でも、国立T大学を出ている人を見ると、たいして仕事ができないくせに国立T大学の学歴にあぐらをかいて楽をしているように見えるんだ」
江川さんはそんな偏見を持っていた。
国立T大学卒の新入社員Aさん
ある日、江川さんがプロジェクトマネージャーを務めるチームに新入社員のAさんが配属された。
Aさんは、江川さんの家族と同じ国立T大学を卒業後、この会社に入社した。最初の数週間、順調に仕事をこなしていたが、次第に江川さんの冷たい視線と厳しい言葉に悩まされるようになったという。
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厳しい言葉と敵意
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「A君の設計は使えない、全然だめだよ」
この言葉にAさんはショックを受けたが、なんとか自分を奮い立たせて次のプロジェクトに取り組んだそうだ。
しかし、ミスをするたびに江川さんはそれを大声で指摘し、彼の自尊心を打ち砕こうとした。
「本当に役に立たないな。どうしてこんな簡単なことができないんだ？」
さらに、江川さんは
「なんでこんなにできない人がうちの会社に入っているんだろう」
と聞こえるような独り言をつぶやいた。
Aさんはその言葉に深く傷ついた。
自己防衛機制：自分の不安や弱点を他人に押し付け、その人を攻撃することで自分の気持ちを落ち着かせることです。江川さんは、自分の劣等感を隠すために、Aさんに対して敵意や嫉妬を持ち、攻撃的になりました。
権威主義：自分の地位や権力を見せつけて、他人を支配しようとする態度です。江川さんはプロジェクトマネージャーとしての立場を使って、Aさんに対して権威を示し、厳しく当たりました。
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Aさんの気づきと行動
Aさんは、江川さんの言動に次第に追い詰められた。夜中に泣きながら帰宅する日も増え、自分の能力を疑うようになっていったという。
しかし、ある日、Aさんはこれがパワハラであることに気づいた。そこで、江川さんとの会話を録音することに決めたそうだ。
パワハラ月間がやってくると、Aさんは勇気を振り絞って部長に報告することにした。
「部長、ちょっとお時間いただけますか？」
「どうした、A君？」
「実は、江川さんから酷いパワハラを受けていて、毎日が苦痛なんです」
部長は驚いた顔をした。
「江川さんが？ そんなことするはずがない。君の勘違いじゃないのか？」
組織文化：会社や団体の中で共有されている価値観や行動のことです。江川さんの職場では、パワハラが許される雰囲気があり、彼の攻撃的な行動がさらにひどくなる原因となりました。
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Aさんは失望し、涙を堪えながら録音データと詳細なメモを提出した。
部長が証拠を確認すると、江川さんがAさんに対して行っていた言動は明らかにパワハラであった。
部長はすぐに匿名での報告があったことを江川さんに伝え、彼の行動を改めさせるための対策を講じた。
江川さんは最初、ショックを受け、なぜ自分が非難されているのか理解できなかった。
しかし、上司と同僚からの指摘を受け、自分の行動を見つめ直すことになった。
江川さんはパワハラについて注意を受けたとき、すぐにAさんの顔が浮かんだ。
なぜなら、江川さんはAさんだけを目の敵にしていたからだ。T大の開発入社が気に食わなかったのだ。
さらに、江川さんは身長が170センチで、Aさんは180センチくらいあって格好良かったのも腹が立っていた。
謝罪とその後の展開
ある日、彼はAさんを呼び出し、深く頭を下げて謝罪した。
「今まで、小間使いみたいな対応をして本当に悪かった。
A君が優秀な大学を卒業しているから、社会では俺のほうが上だっていう態度を無意識にしはじめて、次第にそれが普通になってしまったんだ。
嫌な思いをさせて本当に申し訳ない」
Aさんは涙を浮かべながら、彼の謝罪を受け入れたそうだ。
しかしその後、江川さんはコンプレックスの強さを克服できずに、会社を辞めることにした。
パワハラのうわさが社内に広まり、状況が耐えられなくなったのも理由の一つだった。
その後、Aさんは気を引き締めて自分の仕事に邁進したという。
