どうして苦しい状態になっているのか
この状態は、恋愛依存症の一部であり、自己評価を他者の承認に依存していることが原因です。恋愛依存症は、パートナーからの連絡や注意がないと不安や孤独感を強く感じることが特徴です。最新の研究によると、愛情依存症は不安定な愛着スタイルと関連していることが示されています (Mangialavori & Cacioppo, 2020)。
不安定な愛着スタイルとは?
愛着スタイルは、幼少期の親子関係や養育者との関係を基に形成されるもので、大人になってからの対人関係や恋愛関係にも影響を与えます。不安定な愛着スタイルには以下の種類があります。
不安型愛着(Anxious Attachment)
特徴: 他者からの承認や愛情を強く求め、不安感が強い。パートナーからの連絡や注意がないと不安になりやすい。
行動: 過度にパートナーに依存し、連絡がないと心配や不安が募る。「連絡がないと息ができない」と感じる。
回避型愛着(Avoidant Attachment)
特徴: 親密な関係を避け、自立を重視する。他者との距離を保とうとする。
行動: 親密な関係になると不安を感じ、自己防衛的な行動を取る。連絡が途絶えることは恐れないが、関係が深まると不安定になる。
恐れ・回避型愛着(Fearful-Avoidant Attachment)
特徴: 他者との親密さを望みつつも、過去のトラウマや拒絶の経験からそれを恐れる。矛盾した感情を持つ。
行動: 親密な関係を求めるが、近づくと同時に遠ざける行動を取る。連絡が途絶えると不安になりやすいが、近づきすぎると逆に恐れを感じる。
具体的な影響と行動
自己評価の依存
影響: 不安型愛着スタイルを持つ人は、自己評価が他者からの承認や愛情に大きく依存しています。パートナーからの連絡や注意が自己価値の確認手段となり、それが途絶えると自分の存在価値を疑うようになります。
行動: パートナーからの連絡がないときに、強い不安や孤独感を感じ、「息ができない」と表現するほどの精神的苦痛を感じる。
強い不安感
影響: 不安型愛着スタイルの人は、他者の行動や感情に過敏に反応しやすいです。パートナーからの連絡が少しでも遅れると、見捨てられたという感覚に襲われることがあります。
行動: 頻繁にメッセージを送ったり、電話をかけたりして相手の注意を引こうとする。連絡がないと心配で集中できず、パニックに陥ることもあります。
どうすればいいのか
自己評価を他者に依存するのではなく、自分自身の価値を認識し、自分のニーズを満たすことが重要です。これは心理カウンセリングやセラピーを通じて達成できます。
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解決策の具体例
1. 日記を書く
心理学的効果: 日記を書くことは、自己反省と感情の整理に役立ちます。感情や考えを文字にすることで、心の中にある混乱やストレスを解消し、自己理解を深めることができます。
脳科学的効果: 書く行為自体が脳の構造を変えること(神経可塑性の向上)が示されています※1。特に前頭前皮質(思考や意思決定を司る部分)が活性化され、ストレス管理能力が向上します (Pennebaker & Chung, 2011)。
※1 脳の構造を変えることのメリット
ストレスの軽減: 脳の構造が変わることで、ストレス応答を調節する領域(例えば、扁桃体)の活動が変化し、ストレスに対する反応が穏やかになります。
感情の安定: 前頭前皮質(思考や意思決定を司る部分)が強化されることで、感情の制御がより効果的になり、感情的な安定が向上します。
2. 趣味を見つける(スポーツや読書、絵を描くこと、ボランティア等)
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心理学的効果: 趣味を見つけることで、自己満足感と充実感が得られます。これは、内発的動機づけを高め、ストレスを軽減し、全体的な幸福感を向上させます (Deci & Ryan, 2000)。
脳科学的効果: 新しい活動やスキルを学ぶことは、脳の可塑性を促進(新しい神経経路の形成)し、認知機能が向上し、ストレス耐性が高まります※2 ※3 (Kempermann, 2019)。
※2 脳の可塑性を促進することのメリット
学習と記憶の向上: 脳の可塑性が高まると、新しい情報の学習と記憶の保持が容易になります。これにより、認知能力が全般的に向上します。
柔軟な思考: 脳の可塑性が向上することで、問題解決能力や創造的思考が促進され、変化に柔軟に対応できるようになります。
※3 新しい神経経路の形成のメリット
ストレス耐性の向上: 新しい神経経路が形成されると、脳はストレスに対してより適応的に反応することができ、ストレス耐性が向上します。
メンタルヘルスの改善: 新しい神経経路が形成されることで、うつ病や不安症などのメンタルヘルスの問題が改善される可能性があります。
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3. 自己肯定感を高める練習
心理学的効果: アファメーション(自己肯定の言葉)を日常に取り入れることで、自己肯定感が向上します。自己肯定感が高まると、自己評価が安定し、他者の評価に依存しにくくなります (Cohen & Sherman, 2014)。
脳科学的効果: ポジティブなアファメーションを繰り返すことで、脳内のポジティブな回路が強化され、ストレス応答を調節する脳領域(例えば、扁桃体)の活動が低下することが示されています (Falk et al., 2015)。
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参考文献
- Cohen, G. L., & Sherman, D. K. (2014). The psychology of change: Self-affirmation and social psychological intervention. Annual Review of Psychology, 65, 333-371.
- Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The "what" and "why" of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior. Psychological Inquiry, 11(4), 227-268.
- Falk, E. B., O'Donnell, M. B., Cascio, C. N., Tinney, F. J., Kang, Y., Lieberman, M. D., & Taylor, S. E. (2015). Self-affirmation alters the brain's response to health messages and subsequent behavior change. Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(7), 1977-1982.
- Kempermann, G. (2019). Environmental enrichment, new neurons and the neurobiology of individuality. Nature Reviews Neuroscience, 20(4), 235-245.
- Mangialavori, S., & Cacioppo, M. (2020). Love addiction. Attachment Styles.
- Pennebaker, J. W., & Chung, C. K. (2011). Expressive writing: Connections to physical and mental health. Oxford Handbook of Health Psychology.
- Quattropani, M. C., Maglia, M. G., & Lanzafame, I. (2023). Love addiction: Current diagnostic and therapeutic paradigms in clinical psychology. Health Psychology Research.
- Warren, C. S. (2023). Letting Go of Your Ex: CBT Skills to Heal the Pain of a Breakup and Overcome Love Addiction.