依存症を助長するイネイブリング、イネイブラーになってしまう家族

アラノン家族グループ

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アラノンはアルコール依存の問題を持つ人の家族と友人が、お互いの共通の問題を解決していく自助グループです。<引用:アラノン家族グループ>


イネイブリング、イネイブラーとは

イネイブリングとは、依存症者が依存対象を継続することによって起こる、さまざまな問題の尻拭いや解決を本人以外がしてしまい、結果として依存を助長させてしまう状態のことをいいます。
この手助けをする人は、依存症者を大切に思っている家族や友人などの身近な人たちです。
この手助けをしてしまう人のことをイネイブラーといいます。

イネイブラーは依存症者を助けることで依存症を進行させてしまう

依存症者は、さまざまな問題を起こします。
たとえば、お酒を買うためのお金を渡さないでいるとコンビニで万引きをしてしまいみつかる、お酒を飲みすぎて居酒屋で暴れる、飲みすぎて朝起きれずに会社へ行けない、などがあります。
それを本人に代わって家族などの親近者が必死で謝罪をして弁償代を支払い許してもらうということをします。
本人も周囲に迷惑をかけてしまい落ち込みます。
家族に注意をされて暴言を吐いたり暴れたり、嘘も多くなり、自分はダメな人間だと、さらに自尊心が低くなっていきます。
家族だけでなく本人も傷ついて苦しんでいるのに抜け出せないのです。

では、どうすればいいか?

依存症者がやらかした問題の尻拭いや解決するのをやめる

依存症を助長するイネイブリング、イネイブラーになってしまう家族

尻拭いを本人がするのではなく家族などがしてしまうと「まだできる」と思ってしまいます。
「こんなんじゃダメだ、助けて欲しい」と思ったほうが回復へ向かっていきます。
周囲が注意をして、お酒を隠す、捨てる、買わせない、などとコントロールしようとしても、どんなことをしてでも入手しようとします。
そんな依存症者を見て、周囲はますます心配します。

「このまま放っておいたら死んでしまうのではないか」、「私なら助けられる」、「一緒にがんばろう」、「大切な人だから、愛しているから……」

まず、この気持ちは心の片隅に置いてください。
依存症者が自分自身をコントロールできずに困っているのに、周囲がどうにかしようとしたところで無駄骨です。

心配しながらも本人のために見守ってください。
冷静になって気づいてください。
尻拭いや手助けをすることは依存症を進行させてしまうと。

※家族が手助けをしないでいる間に死に至るような危険な状態になってしまうこともあります。本人が治療を拒否しても、まずは家族だけでも専門機関へ相談へ行くことを強くお勧めしたいです。

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